コラムColumn

愛情ホルモン? オキシトシン

女性教育、子育て

Posted on 2009.7.17

 
イスラエルのバル・イラン大学のR.フェルドマン博士らの研究によると、妊娠中にオキシトシンと呼ばれる、ホルモンの血中濃度が高い女性ほど、生まれた赤ちゃんを可愛がるということが明らかになりました。これまでオキシトシンは、ほ乳動物の研究で「愛と絆」のホルモンであるとされてきたものの、人間での研究はほとんど行われてきませんでした。研究では、妊婦62人を対象に、妊娠第一期(13週目まで)、第三期(28~41週)、出産1カ月後の3回にわたって、血中オキシトシン濃度が測定されました。また出産後には、母子関係を調査するため、母親の行動観察やインタビューが行われました。

その結果、妊娠初期の段階でオキシトシン濃度の高かった母親ほど、赤ちゃんへの「見つめる、あやす、優しくなでる、様子の変化をチェックする…」という行動がより顕著で、わが子とのかかわりが多く見られたといいます。博士は、この結果から、妊娠初期のオキシトシン濃度で、出産後の母親の養育態度と母子の絆の深さを予測できるとしています。
(Psychological Science 2007年11月号