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【メディカル】ホルモン避妊薬は女性性機能不全のリスクが高くなる?
女性性と生殖
Posted on 2010.5.17
ドイツ・ハイデルベルク大学のLisa-Maria Wallwiener博士らが“Journal of Sexual Medicin”5月4日オンライン版に発表した研究によると、ホルモン避妊薬は経口、注射などの非経口ともに、性的な興奮に関する障害、オルガズムの障害、性的な満足感の障害、痛みを伴う障害などの女性性機能不全のリスクを高めていることが分かりました。
一方で非ホルモン性の避妊手段(コンドームなど)を使用している女性は、何ら避妊手段を取らない女性よりも女性性機能不全になりにくいこともわかりました。
博士らによると、女性の40%は何らかの性機能不全に該当するそうで、今回の研究は避妊手段が何らかの影響を与えている可能性が推定されることから実施されたということです。
研究は1086人の女性の医学部生を対象に生活スタイルや性行動、妊娠経験、避妊手段、出産意欲や喫煙など様々な観点から質問紙によって行われました。調査 対象者のうち97.3%が調査の前4週間以内に性行動があり、また32.4%が、女性性機能不全の可能性がありました。さらに細かく分析したところ、ホル モン避妊薬を使用している女性がホルモン薬ではない避妊手段をとっている女性よりも性機能不全のリスクが高いことが明らかになりました。
博士は今後はホルモン避妊薬同士での比較研究などさらに詳しい分析が必要であるとしています。