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【メディカル】1型糖尿病患者の女性は善玉コレステロール値が高すぎても良くない!?
女性病気
Posted on 2010.7.6
米国・フロリダ州オーランドで開催されている第70回米国糖尿病学会で、ピッツバーグ大学のTina Costacou准教授らが発表した研究によると、子供の頃から発症する1型糖尿病患者の女性はHDLコレステロール(善玉コレステロール)値が高すぎて も心臓血管障害の発症率が下がらないことがわかりました。
准教授らは心臓病を発症していない1型糖尿病患者(301人の男性、298人の 女性、平均年齢27.1歳、発症してから平均年数18.9年)を、1986年から長期間継続して調査しました。一般的にHDLコレステロール値が 60mg/dL以上だと心臓血管障害のリスクが低く、男性で40mg/dL、女性で50mg/dL以下の場合、リスクが増加するのだそうです。この研究で 患者のHDLコレステロール値を分析した結果、患者たちは男女とも47.5 mg/dL以下では心臓病リスクが高くなっていました。男性ではHDLコレステロール値が高くなるほど、心臓病リスクが下がっていたのですが、女性の場合 は80mg/dL以上になると心臓病リスクが逆に上がっていました。
准教授はこの結果から心臓病予防のためにHDLコレステロール値が高 ければ高いほど良いという考えは常に当てはまるわけではない可能性もあり、特に1型糖尿病女性の場合には高すぎても良くないことが明らかになったので更に HDLコレステロール値の影響について研究をすすめる必要があるとしています。