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【ライフスタイル】一家の大黒柱が妻たちに変わる!? ー不況の米国では妻たちが家計を支え始めた
女性
Posted on 2010.9.18
米国・ニューハンプシャー州ダーラム市ニューハンプシャー大学のMarybeth Mattingly准教授らがFamilyRelations 9月11日オンライン版に発表した研究で、近来にない不況の米国では、妻が家計を助けるレ ベルを超え、一家の大黒柱として支えるケースが増えつつあることが明らかになりました。
准教授らは、不況の米国で“the added worker effect ”理論(追加労働者効果・夫の所得減少ショックに対して妻が追加的に労働供給を行うこと・働きに出ること)が現実にはどのようになっているかを検証することを目的に調査分析をしました。
調査分析に使用されたデータは、米国経済が比較的堅調であった2004年と2005年のデータと、リーマンショック前後の大不況期に入った2008年と2009年のデータで、夫が失職した後の妻たちの求職行動と就労状況が分析されました。
そ の結果、リーマンショック後の不況期に夫が失職した妻たちは、夫が働いている妻に比べて約3倍も労働市場の労働力として供給されていました(働き出したり より長時間働き出したりしたということです)。また2004.5年に夫が失職した妻に比べて、2008.9年の大不況期に夫が失職した妻たちのほうが求職 と就労行動が多くなっていることもわかりました。
こうした結果から准教授は、リーマンショック後の不況は、金融や自動車など男性労働力が支 配的だった分野で一時解雇が目立ち、以前の経済が堅調な時期よりも妻が家計を支える状況が広がっているので、こうしたことが過去数十年徐々に変化してきた 雇用傾向を更に促進し、これまでの家庭や職場での男女の役割分担を大きく変えていくことにつながるだろうとしています。