コラムColumn

【食】大豆サプリメントは骨密度の減少、更年期障害の症状緩和に効果がない?

女性食

Posted on 2011.8.19

daizu2年間、大豆サプリメントを摂取しても、女性の骨密度の減少を防ぐことができず、ホットフラッシュなどの更年期障害の症状も緩和されなかったという研究データが、米国マイアミ大学Silvina Levis 博士らによって、2011年8月22日付のArchives of Internal Medicineに発表されました。
かつて2002年に米国で実施された「ウーマンズ・ヘルス・イニシアチブ」という大規模調査の結果、更年期症状の緩和を目的とした女性ホルモン補充療法が、乳がんリスクを27%、子宮がんリスクを24%も高めて、心臓病、脳卒中などのリスクも高めると報告されて以来、女性ホルモン補充療法に代わる代替療法が求められました。その1つとして女性ホルモンのエストロゲンに似た働き(植物エストロゲン)を持つ「イソフラボン」を含む大豆や大豆食品を積極的に摂ったり、大豆から抽出したイソフラボンのサプリメントをのむことで、更年期症状が緩和されると考えられています。
今回の研究では、無作為に抽出され、過去5年以内に更年期が始まった45歳から65歳までの女性248人を対象に2004年と2009年に調査を実施。実験は、毎日イソフラボンを200㎎(ゲニステイン91㎎、ダイゼイン103㎎)を摂取するグループと、プラセボ群をランダムに抽出し、2年後の骨密度のようすを測定した結果、2つのグループに大きな違いはありませんでした(腰椎の骨密度:イソフラボン群 -2% プラセボ群 -2.3%、臀部全体:イソフラボン群 -1.2% プラセボ群 -1.4%、大腿骨頸部:イソフラボン群 -2.2% プラセボ群 -2.1%)。それ以上に、相違が見られたのは、ビタミンDが20 ng/mL未満の女性は腰椎の骨密度が著しく減少していたそうです。
ホットフラッシュについては、イソフラボン群が48.4%、プラセボ群が31.7%で、イソフラボンを摂取しているグループのほうが、ホットフラッシュを経験している人が多いという結果になりました。
研究者らは、今回の研究結果には、サンプル数が少ないことや、対象に過体重の白人女性が多かったことなどの事実があったことを付け加えています。