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冬の乾燥肌はフィラグリンの不足が一因

女性美容老化

Posted on 2019.9.28

冬の寒さと空気の乾燥によって、湿疹、かぶれなどの皮膚炎が増えます。乾燥した肌がトラブルを起こす原因として、

皮膚の表面を覆う表皮の細胞で作り出され、皮膚のバリア機能の維持に重要な役割を示す「フィラグリン」というタンパク質の不足が関係していることが、

デンマーク・コペンハーゲン大学の研究で明らかになり、2018年3月の皮膚関連の医学雑誌『British Journal of Dermatology』で発表されました。

この研究では、18歳から70歳までの健康な被験者80人(男性40人・女性40人)の、「ほほ」と「背中」の皮膚を、夏と冬に採取して、

その状態を「Derma Texture Index:DTI(皮膚テクスチャー指数:角質細胞の質感の分析と評価)」と、

「天然保湿因子(Natural Moisturizing Factor:NMF)のひとつであるフィラグリン」の量などを基に分析しました。

その結果、「ほほ」に関しては、夏に比べて冬の方が、「天然保湿因子(Natural Moisturizing Factor:NMF)」のレベルが低下し、

「Derma Texture Index:DTI(皮膚テクスチャー指数:角質細胞の質感の分析と評価)」のレベルは上昇しました。

手の皮膚では、NMFは夏より冬の方が高く、男性より女性の方が高いことが明らかになりました。

また、夏のNMFの分泌量は、紫外線に曝された時間が長い人ほど、少ないことが明らかになりました。

この結果について研究者らは、角質細胞で作り出されるフィラグリンの減少によって、皮膚の萎縮が進み、細胞間の隙間が広がって剥がれやすくなり、

また細菌などが侵入しやすい状態になるために、皮膚炎を起こしやすい状態になると推察されるため、冬は皮膚を軟化して保湿する成分を含むクリームを使用し、

夏は日焼け止めを使用して、肌の乾燥を予防することを推奨しました。ちなみに、皮膚を軟化する成分としては尿素が有名です。

 

今回の研究で注目された「フィラグリン」は、NMFの主要な供給源の1つとして機能するほかに、

表皮角化細胞(ケラチノサイト)の細胞死(アポトーシス)に関与している可能性もあると指摘されています。

 

K.A. Engebretsen, S. Kezic, C. Riethmüller, J. Franz, I. Jakasa, A. Hedengran, A. Linneberg, J.D. Johansen, J.P. Thyssen.

Changes in filaggrin degradation products and corneocyte surface texture by season. British Journal of Dermatology, 2018