コラムColumn

新型インフルエンザと鎌状赤血球症

病気

Posted on 2009.12.8

 
アメリカのジョンズホプキンス大学医療センターのジョン・ストウス博士らは、新型インフルエンザ感染者のうち、鎌状赤血球症の子供や若者が、重症化しやすいことをアメリカ血液学会年次総会のレポートで発表したそうです。

鎌状赤血球症は通常は円形をしている赤血球が鎌状になってしまう遺伝病で、これによって赤血球の酸素運搬機能が低下して貧血症になりやすく、ヘテロ接合型の場合は低酸素血症を起こし、ホモ接合型の場合は死亡してしまう場合も。

日本には殆ど見られず、アフリカや中近東に多い遺伝型。その理由は鎌状赤血球がマラリア原虫の増殖を抑制し、マラリアの発症を抑えるため。

新型インフルエンザの場合、肺への急激な感染が多く、急性肺炎を起こして低酸素状態に陥りやすく、それが鎌状赤血球症の人に大きなダメージを与えるのではないかと考察しています。

いずれにせよ、保護者が子供の体調をしっかり管理して、早めに病院に連れていくようにすべきだと博士は述べています。