コラムColumn
パパイヤががん細胞の成長を抑制する
病気食
Posted on 2010.4.7
東京大学医科学研究所先端医療研究センター免疫病態分野フェロー大月典子博士らの研究によると、アジアやオーストラリアで様々な病気の治療に昔から用いられてきたパパイヤ(カリカパパイヤ)に、がん細胞の成長を抑制する効果があることが、2月のJournal of Ethnopharmacologyに掲載された論文で報告されました。
がんの発生と増殖には、免疫反応の重要な役割を担うヘルパーT細胞のTh1とTh2の不均衡が関係していることがすでに明らかになっています。
この研究ではパパイヤの葉を熱湯で煎じて、水溶性の抽出物を取り出し、がん細胞に投与した結果、ヘルパーT細胞のうちのTh1細胞を介して、Th1とTh2の均衡を保ち、これによってがん細胞の成長が抑制されている可能性が指摘されました。
今後研究を進めれば、パパイヤの抽出液を用いたワクチン療法などで、がんやアレルギー疾患などの治療に役立てることが可能かもしれません。