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【メディカル】認知症になったら、いつ運転を止めるべき?
病気老化
Posted on 2010.4.30
アメリカ合衆国は最大の自動車大国であり、広大な面積を持つ大国において日常生活を送る上で、人々が自動車を運転することが欠かせないということは、わが国の比ではありません。
アルツハイマー病などの認知症と診断された場合に、いつ運転を止めるべきか、止めさせるべきかの新たなガイドラインが“Neurology” 4月12日オンライン版に掲載されました。
米国の最近の研究によると軽度の認知症患者は、既に運転することが非常に高いリスクを伴っているにもかかわらず、76%が路上運転テストに合格してしまうということです。
ガ イドラインはAmerican Academy of Neurologyの部会によって作成されたもので、医師がClinical Dementia Rating (CDR 臨床認知評価法 日本版もあります)を使用して、患者本人と家族などから面接調査することで、運転の適格性を判断するものとなっています。
特に家族は運転距離の減少・衝突事故、走行中の違反、雨や夜運転を避ける、攻撃性や衝動性の有無に関して、認知症のドライバーの危険な兆候としてチェックすることが求められています。
なおCDRは記憶・見当識・判断力と問題解決能力・地域社会の活動・家族および趣味の5つの観点を医師が本人と家族に面接することで聞き取り、正常・疑わしい・軽度・中等度・高度の5段階で評定するものです。