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【メディカル】認知症は香りや匂いの意味も奪ってしまう

病気脳食

Posted on 2010.5.27

06米国・ミズーリ州セントルイスにあるWashington UniversityのKatherine Piwnica-Worms博士らがCortex 6月号に発表した研究によると、ある種の変性型認知症(意味性認知症)患者は、香りや匂いの持つ意味がわからなくなってしまい、そのことで異常な食行動をとってしまうようになるのだそうです。
博士らは意味性認知症患者の香りの情報処理プロセスを調べるために、いろいろな香りの種類があるジェリービーンズを使用して意味性認知症患者(意味性認知症患者は大脳の側頭葉が萎縮していて進行すると言葉の意味が全くわからなくなってしまいます)と、健康な同年代で同じような生活文化的背景を持つ老人とで比較対照して調査しました。その結果、意味性認知症患者は香りの違いは分かり、また香りの組み合わせが心地良いかどうかは答えられましたが、個別のジェリービーンの香りが何の香りかは分からず、香りの組み合わせが適切かどうかもわかりませんでした。
博士らはこの研究結果は認知症患者の異常な食行動(普通ではない食べ合わせをしたり、特定の食べ物ばかりに執着したりする)や食の好みの変化が大脳の変性に基づくこと示しており、さらには日常生活において香りを脳がどのように組織化し評価しているかということを理解する上での展望を与えるものだとしています。