英国・University College LondonのRichard Watt 教授らがBMJの5月27日オンライン版に発表した研究で、歯を毎日2回磨いている人は、歯を磨かない人に比べて心臓病のリスクが低いことがわかりました。
教 授らは11869人の男女（平均年齢50歳）を対象に、ライフスタイル（喫煙、飲酒、運動、など）に加え歯科医に通う頻度、日々の歯磨きの状況、回数を調 査し、また健康状態も調査しました。その後約8年間彼らの健康状態を追跡調査し、データを分析しました。その結果、555人がその期間中に心臓病になり、 そのうち170人が亡くなりました。様々な要因を除いて歯磨きと心臓病の関係を分析したところ、歯を磨かない人は歯を1日２回磨く人に比べて70％も心臓 病になるリスクが高いことがわかりました。また歯を磨いていない人は炎症反応の指標であるC反応性蛋白とフィブリノゲンの数値が歯を磨いていない人よりも 有意に高いことも明らかになったということです。
教授は今後の課題として口内の衛生状態と心臓病発症の因果関係を研究する必要があるとしています。