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【食】りんごジュースで、アルツハイマー型認知症患者の心理的障害が改善
病気食
Posted on 2010.6.27
米国・University of Massachusetts-LowellのThomas B. Shea教授らがAmerican Journal of Alzheimer’s Disease and Other Dementias (AJADD) 6月号に発表した研究によると、アルツハイマー型認知症患者に、りんごジュースを飲ませることが、患者の気分障害の改善に役立つことが明 らかになりました。
教授らは中程度から、かなり重篤なレベルまで進行した21人のアルツハイマー型認知症患者を対象に1ヶ月間毎日4オンスグラス2杯分(約120CC×2で240CC)のりんごジュースを飲ませました。
入 院施設の介護者に患者の変化を調査させたところ、認知症の状態を測定する尺度(Dementia Rating ScaleやAlzheimer’s Disease Cooperative Study 、Activities of Daily Living )では改善が見られませんでしたが、介護者によって実施された認知症患者の心的・行動的側面の状態及び障害を測るthe Neuropsychiatric Inventoryでは27%も改善が見られたそうです。
大きく改善が見られたのは患者の不安、妄想、焦慮などの側面でした(不安や焦慮で落ち着けずに徘徊したり妄想に駆られて異常行動したりすることが減少したなど)。
この結果から教授は、りんごジュースで認知症患者が気分的に落ち着いてくれることは患者本人のみならず、介護者の負担を少しでも減らすのに寄与するのではないかとしています。