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【メディカル】心臓病とうつ病の併発は致命的!
病気
Posted on 2010.9.22
フランス・ベルサイユ大学のHermann Nabi博士らがHeart 9月15日オンライン版に発表した研究で、うつ病と心臓病を併発している場合、それぞれ単独に罹患している患者の死亡リスクよりも飛躍的に死亡リスクが高くなってしまうことがわかりました。
博 士らは5936人のイギリス人中年男女(平均年齢61歳)の健康状態を2000年から2004年の5年半にわたり継続調査したデータを分析しました。まず 第一に、心臓病罹患者のうつ症状併発率は20%で、心臓病でない人の平均14%に比べて高くなっていました。詳しく分析すると性・年齢の要因を取り除いた 上で、平均死亡率に比べて心臓病だけの場合は死亡リスクは1.67倍、うつ病だけの場合は死亡リスクは2.1倍でした。そして心臓病でうつ病も併発した場 合の死亡リスクは両方とも罹患していない人に比べて4.99倍と著しく上昇していました。そして性・年齢だけでなくBMI値、アルコール飲料の摂取、喫 煙、運動などの要因をさらに取り除いた上で、うつ病と心臓病が死亡リスク増大にどれだけ影響しているかを算出した場合でもなお、心臓病にうつ病を併発した 場合は平均死亡率よりも3.58倍も死亡リスクが高いという結果でした。
博士は、何故うつが心臓病患者の死亡リスクを増大させるのかは、この結果からだけでは医学的に明らかになってはいないが、中高年の心臓病患者のうつ病はより注意が向けられる必要があるとしています。