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【食】カリウムの消費が高血圧の予防につながる!
病気食
Posted on 2010.9.21
オランダ・Wageningen(ワーへニンゲン)大学のJohanna M. Geleijnse准教授らがArchives of Internal Medicine 9月号に発表した研究で、カリウムの摂取量を増やすことが、世界の多くの人々の血圧を低下させることに有効であることが明らかになりま した。
准教授らは、これまでに発表されている米国、中国、ニュージーランド、ドイツ、オランダなど21カ国で行われたカリウムの消費と健康に関する21の研究データを分析し、カリウム摂取の有効性を検討しました。
その結果、各国におけるカリウムの一日の平均消費量は1.7g~3.7gで、これまでの研究から知られているアメリカ・イギリスでの健康のための推奨カリウ ム摂取量である4.7gには到底及ばない低い数値でした(日本では男性2.5g,女性2.0gが日本人の食事摂取基準の目安量)。これらの国々でもしカリ ウム摂取を推奨量程度まで増加させることができれば、准教授らの試算では、研究データの対象となっている各国で最高血圧の平均値を1.7mmHgから 3.2mmHg低下させることが可能であることがわかりました。これは一方で、一日の食塩摂取を4g減らせた場合に可能になる血圧の低下予測値とも一致し ていました。
現在、西欧諸国では最高血圧120mmHg最低血圧80mmHgの適正血圧に収まる人は全体の20-30%しかいないと言われ ており、この研究結果を受けて准教授は、心臓血管障害のリスク低減のためにも、血圧を適正に維持させるための食生活の改善策として、食塩摂取を減らすこと とカリウム摂取を増加させることが重要であるとしています。