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【ライフスタイル】中年ヘビースモーカーはアルツハイマー型認知症のリスクが2倍に!
病気
Posted on 2010.11.1
米国・カリフォルニア州オークランドにあるKaiser Permanente Division of Research のRachel Whitmer博士らがArchives of Internal Medicine 10月25日オンライン版に発表した研究で、中年期にヘビースモーカーだった場合、20年後にアルツハイマー型などの認知症になるリス クがタバコを吸っていなかった場合の2倍以上になることが明らかになりました。喫煙が呼吸器系の疾患やがん、心臓血管障害のリスクを高めることはこれまで 明らかになっていましたが、博士らの研究チームは1978年から85年にかけて当時50歳から60歳の21123人のデータを1994年から2008年7 月までの期間に平均して23年追跡調査した結果(調査対象者の平均年齢は71.6歳になっていました)、認知症リスクも高めていることがわかったというこ とです。
追跡調査の結果、調査対象者のうち25.4%(5367人)が認知症と診断されました(アルツハイマー型認知症が1136人、脳血 管性認知症416人を含む)が、様々な他の要因を除外した上で50代で1日2箱以上のタバコを吸っていたヘビースモーカーと非喫煙者を比較すると、ヘビー スモーカーは認知症リスクが2.14倍、そのうちアルツハイマー型認知症では2.57倍、脳血管型では2.72倍もリスクが高まっていることが明らかにな りました。また1日1箱以上2箱以下の喫煙者では44%、半箱以上1箱以下でも37%認知症リスクが高まっていました。
博士らはこうした結果から中年期のタバコの吸い過ぎは他の病気だけでなく認知症リスクも高めていることが明らかになったことで非喫煙化に向けた公衆衛生的な働きかけが一層求められるとしています。