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【ライフスタイル】清潔すぎると不健康になる!?
病気
Posted on 2010.12.4
清潔すぎる生活が18歳以下の若者のアレルギーを引き起こす原因になっていると、ミシガン大学公衆衛生学のAllison E. Aiello博士らが、オンライン版のEnvironmental Health Pespectivesに発表しました。
この報告は、2003年から2006年に行われたアメリカ健康栄養調査の中で6歳から49歳までの3728人の尿中のトリクロサンとビスフェノールA(以下 BPA)という、内分泌をかく乱し手アレルギーや花粉症を引き起こし、性機能に悪影響を与えるのではないかと危惧されている物質の量を測定した結果や、サイトメガロウイルス抗体値(免疫機能の異常を調べる数値、以下CMV抗体値)、アレルギー、花粉症の診断結果などをもとに分析しました。
トリクロサンは抗菌石けん、歯磨き粉、医療用品などに抗菌作用があることでよく使われている物質。BPAは食品のパッケージに使うプラスティック製品をつくるときに使う化学物質。
研究の結果、この年齢層には、ほかの年代に比べてアレルギーや花粉症と関連があるといわれるトリクロサンのレベル、CMV抗体値が高く、特に18歳以下ではトリクロサンレベルが高い人ほど花粉症とアレルギーと診断された人が多いことが判明しました。
これについてトリクロサンの入った抗菌された製品が発売されて、それらを日常的に使い、清潔な生活を送ることが一般的になった18歳以下の若者は、その抗菌力の影響で、体を守ってくれる、体にとって有用な菌も殺菌してしまうことで、免疫システムが正常に機能せず、炎症反応を起こすT細胞を必要以上に作り出してしまうことで、アレルギーや花粉症を起こしている可能性が指摘されています。