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【メディカル】前立腺がんリスクの高低は人差し指と薬指の長さでわかる!

病気

Posted on 2010.12.3

yubi英国・The Institute of Cancer Research (ICR)のRos Eeles教授らがBritish Journal of Cancer 11月30日オンライン版に発表した研究で、人差し指が薬指より長い男性は、前立腺がんの発症リスクが、薬指のほうが人差し指より長い男性 より約33%低いことがわかりました。
教授らは、1994年から2009年にかけて1524人の前立腺がんの患者と比較対象するための同年 齢の健康な男性3044人の右手の指の長さのパターンを測定しデータを分析しました。分析の結果、半数以上の男性は人差し指のほうが薬指より短く、また約 19%が人差し指得する指の長さが同じであり、この両グループの前立腺がん発症リスクは同じでした。しかしながら、残りの人差し指のほうが薬指よりも長い グループの男性は、33%も前立腺がん発症リスクが低いことが明らかになりました。特に60歳以下の男性では、この差が顕著で87%も前立腺がん発症リス クが低くなっていました。人差し指と薬指の長さの比は、胎児期に子宮内でどの程度テストステロンに曝されるかで決まることが知られていますが、この研究に よって胎児期にテストステロンに曝される量が少なかった男性のほうが、成人して後に前立腺がんに成りにくいということがわかったということです。
教 授によればこの研究結果は、胎児期の性ホルモンと病気の関係では、女性の乳がんと胎児期に曝されたエストロゲンとの関係、変形性関節炎との関係(薬指より も人差し指が短い人のほうがなりやすい)などに次ぐ発見で、こうした研究を続けることで様々な病気との関係が明らかにできるのではないかとしています。