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【食】トマトは血管病予防に効果あり!

病気食

Posted on 2011.1.12

tomato京都大学大学院農学研究科で、食品分子機能学分野を担当する河田照雄教授らが、Molecular Nutrition & Food Research 2010年11月18日オンライン版に発表した研究で、トマトに脂質代謝異常の改善につながる成分があることを特定し、それが血管病の 予防効果を持つことがわかりました。
河田教授らは、これまでにもトマトに脂質代謝異常を改善する成分が含まれていることを、確認されていましたが、脂質代謝異常を改善する効果を有するトマトに含まれる成分の、分子的メカニズムは明らかになっていなかったことから、研究を実施しました。
脂 質代謝異常は動脈硬化などの血管病につながるため、血中の脂質の増加を抑制することが重要であるとされています。教授らはPPARα(ペルオキシソーム増 殖活性化レセプターα)という物質が、脂質代謝異常の改善に重要な機能を果たしていることから、今回トマトに含まれる何らかの成分が、PPARαを活性化 することで、抗脂質代謝異常効果につながるのではないかとして、そのメカニズムを分析しました。
研究の結果、トマトに含まれる9オクソ・オ クタデカジエン酸(9-oxo-octadecadienoic acid)という物質が、PPARαを活性化し脂質代謝異常を改善することに結びついていることがわかりました。この研究結果は、トマトを常食すること で、脂質代謝異常、そしてその結果としての血管病は予防できる可能性が高いことを示唆しているということです。