コラムColumn
【ライフスタイル】夜、灯りを点けたままで眠ると乳がんリスクが高まる!?
病気
Posted on 2011.1.19
イスラエル・ハリファ大学のAbraham Haim博士らが、Chronobiology International 2011年2月号に発表した研究で、夜、灯りを点けたままにするなど明るいところで眠ると、乳がんの発症リスクが高まること が、10年に渡る大規模な縦断的研究の結果でわかりました。
これまで深夜に働く、いわゆるシフトワーキングが乳がんのリスクを高めることは 知られていましたが、博士らは、深夜眠っていてもシフトワーキングと同じように、明るいまま眠る場合も、何らかの影響があるのではないかと考え、1679 人(794人が乳がん患者・平均年齢58.9歳、885人が対照群の健康な女性・平均年齢60.9歳)のイスラエル女性を対象に、ケース・コントロール研 究を実施しました。
調査では対象となった女性たちの、教育、民族、飲酒習慣の状況などや、睡眠時の寝室の点灯の有無、寝室の雨戸、カーテン などの開閉などが継続的にデータ収集されました。データを分析した結果、就寝時に寝室を真っ暗にする割合は、患者群46.5%、対照群54.1%、逆に完 全点灯で明るいまま眠る人の割合は患者群29.5%、対照群22.6%でした。
博士らが調査対象者の教育、民族、妊娠経験、飲酒習慣などの要因を取り除いてデータを解析した結果、睡眠時に寝室を点灯したままにして光を浴びながら眠ることは、真っ暗にして眠るよりも22%も乳がんリスクを高めていることが明らかになりました。
博士らは睡眠時に明かりを点けたままにすることが、エストロゲンの分泌を調節するメラトニンの産生を阻害するために、こうしたリスクの上昇をもたらしている 可能性があると指摘すると同時に、サーカディアンリズム(概日リズム)を制御しているホルモンと、乳がんの予防的効果の関連を指摘した研究もあることか ら、就寝時の明るさは危険であることを認識すべきとしています