コラムColumn

【メディカル】初期段階のパーキンソン病患者は血中のビタミンDが少ない!

病気

Posted on 2011.3.21

bone米国・ジョージア州アトランタ市エモリー大学のMarian L. Evatt博士らが、Archives of Neurology 2011年3月号に発表した研究で、パーキンソン病の初期段階にある患者の約3分の2以上が、血中の25ヒドロキシビタミンDが不足 レベルとされる30 ng/mL以下であることがわかりました。
博士らはこれまでの研究で、パーキンソン病患者が健常者に比べてビタミンDが欠乏しているとの報告がなされていることから、初期段階のパーキンソン病にある可能性がある集団を調査し、ビタミンDの不足が生じているかどうかを調査しました。
157 人の患者の血中25ヒドロキシビタミンDは、調査開始時点のベースラインで平均26.3 ng/mLであり、欠乏状態と呼べるレベルでした。継続的な調査で、日照時間の季節変動によると考えられる濃度の高低の変化はありましたが、不足レベルと される30 ng/mL以下のままであり、患者の26%は20 ng/mLまで低下していました。
こうした結果から博士らは、パー キンソン病の初期段階にあると考えられる患者のベースラインにおけるビタミンDの広範な不足を考えると、パーキンソン病の臨床所見以前に長期間のビタミン Dの欠乏がある可能性があり、またそれがパーキンソン病の発症に、なんらかの役割を果している可能性があるのではないかとしています。