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【食】コーヒーで乳がんリスクが減少する

病気食

Posted on 2011.5.13

coffeecancer乳がんは女性ホルモンの影響で増殖するタイプのものが約70%あるといわれています。このタイプの乳がんはエストロゲンとプロゲステロンの受容体を持ち、ホ ルモン感受性がある(ポジティブ・陽性)ため、ホルモン療法が有効です。しかしこのホルモン感受性がない(ネガティブ・陰性)のタイプの乳がん場合は、ホ ルモン療法が有効でないため治療が難しくなります。
スウェーデン・Karolinska Institutetの研究チームがBreast Cancer Research 2011年5月11日オンライン版に発表した研究で、コーヒー消費量が多い女性の乳がんリスクが低く、特にエストロゲン受容体がなく、 エストロゲン感受性がない(陰性)場合の乳がんリスクが減少していることが明らかになりました。
研究チームはコーヒー消費と、閉経後の乳がんリスクの関係を調査するために、2818人の乳がん発症者とそうではない同年齢階層の女性3111人のデータを分析しました。
データを分析し、年齢などの様々な要因を調整して比較したところ、毎日5杯以上コーヒーを飲む女性(多量群)と、1杯以下しか飲まない女性(微量群)の、乳が んリスクを比較したところ、多量群の乳がんリスクが低く、特にエストロゲン・ネガティブタイプの乳がんのリスクは統計的に有意に低下していることがわかり ました。
研究チームはこの結果は、コーヒーが全ての乳がんリスクを低下させていることは証明しておらず、なぜエストロゲン・ネガティブのタイプのみ、リスクが低下するのかは現在明らかではないが、コーヒーの入れ方や豆の種類に関わりがある可能性があるとしています。