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【食】BMIではなく腹部肥満は心血管病死のリスクを高める
病気肥満
Posted on 2011.5.9
BMIの数値に関係なく、腹部肥満は死亡リスクを70%も高めることが、米国ミネソタ州ロチェスターのメイヨークリニックに所属する Francisco Lopez-Jimenez医師らの研究によって明らかになり、2011年5月10日付のJournal of the American College of Cardiologyに発表されました。
この研究は15,923人を対象に行った5つの研究を再分析したもので、このうち6648人が正常なBMI、2396人がBMI30以上の肥満でした。被験者の観察期間は平均2.3年で、この間に5696人が死亡していました。
再分析の結果、腹囲とウエストーヒップ比率は、肥満ではないBMIが正常な人に関して1.7倍も死亡率を高め、特にBMI30以上の肥満者の場合は、死亡率が1.93倍も高まっていました。BMIの増加に関しては、死亡率を36%減らすことがわかりました。
BMI は幅広く利用される数値ですが、研究者らは、肥満の状態や脂肪の分布について分析する数値としてBMIはふさわしくないと評価します。そして、健康を維持 するために大切なのは、BMIでは評価できない「体のどこに脂肪が付いているのか」ということだと研究者らは指摘します。
内臓脂肪はコレステロール、血圧、血糖などを高めるリスクを抱える脂肪であり、特に注意したいのは、腹囲と中性脂肪の値が並行して上昇している場合、死亡リスクを高めている可能性があるということです。