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【ライフスタイル】瞑想が過敏性腸症候群の症状緩和に有効!
病気
Posted on 2011.5.16
米国・ノースカロライナ大学チャペルヒル校のOlafur Palsson博士が,イリノイ州シカゴで5月7日-10日まで開催されたDDW(Digestive Disease Week)2011で発表した研究によると、瞑想が過敏性腸症候群の症状を改善するのに有効であることが明らかになりました。
博士は RomeⅡクライテリア(機能性消化管障害の診断基準)で医師によって過敏性腸症候群と診断された患者から選ばれた75名(全員女性、平均年齢45歳)を 対象に、患者を2グループに分けて「マインドフルネス瞑想法」を行うグループと、サポートグループのセッションに参加するグループの、それぞれの効果を比 較しました。患者の開始時点での過敏性腸症候群重症度スコアは平均276でした。各グループとも8週間にわたり瞑想トレーニングまたはグループセッション に参加し、終了3ヶ月後に再び過敏性腸症候群重症度スコアが測定されました。
測定の結果、サポートグループセッションに参加した患者も、わずかに(12%ほど)重症度が低下していましたが、マインドフルネス瞑想に参加したグループの重症度スコアは、平均38%も下がり、統計的に有意に症状が改善していることが明らかになりました。
症 状のうち腹痛や腹部膨満の改善は、両グループとも同様でしたが、サポートグループセッション参加者は、心理的苦痛や内臓感受性の改善度合いに変化がありま せんでした。また生活の質の改善度合いに対しても、マインドフルネス瞑想参加者のみが、統計的に有意に改善していました。
博士 は盲検法ではないことによる、プラセボ効果がある可能性をまったく否定するわけにはいかないが、マインドフルネス瞑想トレーニングにより、患者が現在に意 識を集中することで、過去の問題や将来への不安にとらわれることから解放され、そうしたことにより症状が改善されうることは明らかであるとしています。