コラムColumn
【メディカル】肥満は前立腺がんを増悪させるリスクを高める!
病気肥満
Posted on 2011.5.19
米国・デューク大学メディカルセンターのChristopher J. Keto博士らが、ワシントン・DCで5月14日から19日まで開催されたAUA(American Urological Association) 2011 annual meetingで発表した研究で、前立腺がんの成長を抑制するホルモン療法を行っても、患者が肥満している場合は、増悪する危険が高まることが明らかにな りました。
博士らによると、現在米国人男性の6人に1人は前立腺がんに罹患し、また3人に1人は肥満であるという肥満者の増大傾向が続く 中、肥満が前立腺がんにどのような影響を及ぼしているかについて、先行研究ではすでに肥満が好ましくない影響を及ぼしている可能性が指摘されており、今回 の研究を企画しました。
1988年から2010年までの間に、前立腺がんの手術を受けた2892人の患者を対象に、その後の治療とその予後 と肥満との関係を詳細に分析し増した。その結果、術後に男性ホルモン・アンドロゲン除去療法を同程度に受けた場合、BMI値25~30の過体重、および 30以上の肥満に該当した患者は、標準体重の患者と比べて、3倍もがんの増悪リスクが高いことがわかりました。
また過体重の患者は標準体重患者に比べ、3倍もがんが骨まで達するリスクが高く、肥満患者はがん転移のリスクが5倍も高いこともわかりました。
博士らはこの結果から、なぜこのようなことが生じているのか、さらに原因を研究すると同時に、肥満した前立腺がん患者を、運動や食事で痩せさせた場合に、治療効果が高まるのかどうかの研究をすすめるとしています。