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【ライフスタイル】タバコによる心臓病リスクは男性より女性が大きい!
病気
Posted on 2011.8.24
米国・メリーランド州ボルティモア市にあるジョンズ・ホプキンス大学のMark Woodward博士らが、The Lancet 2011年8月11日オンライン版に発表した研究で、喫煙による冠動脈心疾患リスクは、男性よりも女性のほうが大きいことが明らかになりま した。
博士らは1966年から2010年までの間に発表された26の研究データを分析しました。これらの26の研究が対象とした集団の数 は、合計86(39が日本を含むアジア、22が米国、16がヨーロッパ、9がオセアニア地域)で、研究データの継続期間は平均最少で5年、最長で40年、 調査対象者の総合計数は3.912.809人でそのうち、67.075人が冠動脈疾患(致死性と非致死性の合計)を発症していました。
デー タの要件がそろう75の集団から得た約240万人のデータを分析した結果、さまざまな心疾患危険要因を補正した上で、なおかつ女性喫煙者のほうが男性喫煙 者よりも冠動脈心疾患の相対危険度が25%高いことがわかりました。そして調査の継続期間が1年長くなる毎に女性の相対危険度は2%ずつ上昇していまし た。また54の集団から得た330万人のデータで年齢のリスク要因を補正して分析した結果でも、喫煙による冠動脈心疾患発症の相対危険度は、女性のほうが 11%高いことがわかりました。
この結果について博士らは、この研究だけからなぜ女性のリスクが高いのかは明らかではないが、女性喫煙者の 肺がん発症率が男性喫煙者の2倍であることなどから考えると、1つの仮説として女性のほうが男性よりも、同じ本数のタバコから、より多くの発がん物質や毒 性の化学物質を吸い込んで、取り込みやすいため、結果として冠動脈心疾患リスクも増大するのではないかとしています。