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【食】塩辛い物好きで体を動かさない高齢者は認知症になりやすい!

病気食

Posted on 2011.8.30

siokaraiカナダ・トロント大学ベイクレスト研究所のAlexandra Fiocco博士らがNeurobiology of Aging 2011年8月19日オンライン版に発表した研究で、塩分摂取量が多く身体活動量が少ない生活習慣は、高齢者の認知能力の維持に有害であるこ とが明らかになりました。
博士らはカナダ・ケベック州に在住する1.262人の健康な高齢者(67-84歳)を対象に、3年間継続して塩分摂取量と身体活動量、認知 機能を調査しました。調査対象者の性、年齢、教育水準、腹囲、糖尿病の発症の有無、食事量などの要因を補正した上で、塩分摂取量・身体活動と認知機能の関 係を分析した結果、身体活動量の少ない高齢者に関してのみ、塩分摂取量と認知機能の間に関連があることがわかりました。
身体活動量の少ないグループの高齢者では、塩分摂取量少量グループの認知機能は3年間継続して塩分摂取量が、中と高に属するグループの高齢者の認知機能に比較して、良好な状態を保っていました。
博士らはこれまでの研究で、塩分摂取量が少ない人は、血圧が高くならず、心臓病リスクも少ないことが明らかになっていたが、今回の研究で、 塩分控えめな食生活が、高齢者の認知機能の維持にもプラスに作用することが明らかになったとして、特にやむを得ず身体活動量が少なくならざるを得ないよう な高齢者の場合、塩分摂取量を少なくすることで認知機能の低下リスクを減らす可能性が明らかになったことは朗報だとしています。
一方、高齢者のライフスタイルの典型であるテレビばかり見て体を動かさない上に塩分の多いスナック類を食べることは、認知機能維持に非常にマイナスなので避けなければならないとしています。