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【メディカル】非婚男性はガンで死ぬリスクも既婚男性よりも高く、そのリスクは増加中!ノルウェーの大規模研究
病気
Posted on 2011.10.17
男女を問わず、結婚したことのない人は、結婚している人よりも、死亡リスクが高いことは、これまでのさまざまな統計資料から知られていますが、ノルウェー・オスロ大学のHåkon Kravdal博士らがBMC Public Health 2011年10月14日号に発表した研究で、過去40年間のガン死亡リスクを比較した結果、特に非婚男性の死亡率が既婚男性のよりも増加していることが明らかになりました。
博士らは非婚者と既婚者の間での死亡リスクの差が、トータルでの死亡リスクとがんなど個別要因での死亡リスクなどで、過去に比べて徐々に拡大している可能性があることを、幾つかの研究が示唆していることから、1970年から2007年までの期間にガンと診断されたノルウェーの男女(年齢38歳-89歳)440万人以上のデータを非婚、既婚、離婚、死別などとの関係と、がんによる死亡などの死亡要因との関係で分析しました。
データを分析した結果、非婚者は年齢、教育、腫瘍の部位、診断からの期間、発見された時のがんのステージなどに関わらず、既婚者よりも死亡リスクが高いことが明らかになりました。
そして過去40年間に生涯で一度も結婚したことのない非婚者は、既婚者の死亡率に比べて男性の場合18%から35%に、女性の場合は17%から22%に死亡率が増加しており、特に非婚男性の既婚者と比較してのがんによる死亡リスク増加度が、著しく上昇していることが明らかになりました。
この結果について博士らは、非婚者は既婚者に比べてがん以外に成人病なども含む全体としての健康度が低いこと、既婚者の方が、がんと診断された後の予後の管理がしっかりできること、などによるのではないかとしています。