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【食】ビタミンEサプリは中高年男性の前立腺がんリスクを増加させる可能性あり!
病気食
Posted on 2011.10.14
米国・オハイオ州クリーブランドにある全米屈指の医療機関の1つであるクリーブランド・クリニックのEric A. Klein博士らの研究グループが、Journal of the American Medical Association (JAMA)2011年10月12日号に発表した研究で、ビタミンEサプリメントを経口摂取している中高年男性の前立腺がん発症リスクが、僅かではあるけれども、統計的に有意であると見なされる程度増加していることが明らかになりました。
博士らは2001年から 2004年にかけてカナダ、アメリカ、プエルトリコでPSAが4.0 ng/mL以下で、直腸診でも前立腺がんの疑いのない男性(黒人は50歳以上、その他は55歳以上)35.533人を対象に、ビタミンEとセレニウムのサプリメントの服用と、前立腺がん発症リスクの関係を調べるための大規模調査を開始しました。
被験者は4グループに分けられ①グループはビタミンE400IU、②はセレニウム200 mcg 、③はビタミンE400IUとセレニウム200 mcgの両方、④はプラセボ、を毎日経口服用し続け、集計までの期間被験者は短い人で4年間、長い人で7年間飲み続けていました。
調査は2011年7月まで継続的に経過が調査され、被験者のデータが集計されて分析されました。
データを分析した結果、プラセボのみを服用していた被験者の前立腺がんの発症率を基準として比較した場合、ビタミンEのみを服用していた被験者は1.6人 /1000人/年の割合で発症リスクが増加、セレニウムのみ服用の被験者では0.8人/1000人/年の割合で発症リスクが増加、ビタミンEとセレニウムの両方の被験者では0.4人/1000人/年の割合で発症リスクが増加していることが明らかになりました。
この結果から博士らは、前立腺がんの予防のためには、ビタミンEもセレニウムも効果がないことが明らかで、逆にビタミンEを継続的に中高年男性が服用した場合は、わずかではあるが前立腺がんの発症リスクが増加するということが統計的にも明らかになったので、ビタミンEの欠乏を補う必要があるような状況でもない限、り服用することは進められないとしています。