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【ライフスタイル】不眠は心臓に負担を与え、心臓発作リスクを増大させる!
病気
Posted on 2011.10.27
睡眠障害や心理的な障害に苦しむ方々が眠れずに朝を迎えてしまうこととは別に、交代勤務や夜勤の仕事、運輸関係の業務に携わる方々は 当然のこととして、例を挙げれば際限がないほど、現代社会では仕事のために、実際に繁忙な業務を遂行するためのみならず、業務に伴うストレスによるものも含めて、眠ることが出来ず不眠になってしまうことも、少なくないのではないでしょうか。
こうした不眠が健康上、さまざまな悪影響をおよぼす ことは知られていますが、ノルウェー・トロンハイム市ノルウェー科学技術大学のLars E. Laugsand博士らが、Circulation 2011年10月24日オンライン版に発表した研究で、不眠が急性心筋梗塞リスクを高めていることが 明らかになりました。
博士らは52.610人のノルウェー人成人男女を対象に11年5ヶ月間、継続的に健康状態を調査しました。調査期間中 に2.368件の急性心筋梗塞の発症があり、この急性心筋梗塞の発症と睡眠状態との関係が分析されました。調査開始当初に睡眠の不調を訴えた人は、「毎晩 寝付きが悪いと入眠困難を訴えた人」が3.3%、「毎晩睡眠途中で目がさめてしまうと中途覚醒を訴えた人」が2.5%、「週に1回以上は疲れが取れず眠っ た気がしないという熟眠障害を訴えた人」が8.0%いました。
データを分析した結果、毎晩の入眠困難を訴えていた人は、睡眠に何ら問題のな い人よりも45%も急性心筋梗塞発症リスクが高いことがわかりました。また中途覚醒では30%、熟眠障害でも27%も急性心筋梗塞のリスクが高いことが明 らかになりました。これらの数値は年齢、性別、教育、交代勤務、婚姻状況、うつ、不安、心臓病、喫煙、身体運動など心筋梗塞の発症に影響のある要因を調整 した上で、睡眠障害のみの発症リスクへの影響を算出した結果です。
この結果について博士らは、睡眠障害の背景には交感神経系活動の増大、血 圧の上昇などがあるので、そうしたことが急性心筋梗塞リスクの増加に影響していることは間違いないが、逆に睡眠障害を減らすことが生命に重大な危機を及ぼ す急性心筋梗塞の発症を減らすことにつながるので、睡眠障害を持つ人は速やかに専門医の治療を受けることが望ましいとしています。