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【食】卵を1日1個以上食べると糖尿病リスクが高まる?~アメリカの調査から

病気食

Posted on 2011.11.8

tamago卵を1日1個以上食べることで、男性は58%、女性は77%も、2型糖尿病のリスクが高まってしまうことが、米国ハーバード大学ブリ ガム女性病院のLuc Djoussé博士らが行った、 2つの大規模調査の結果を分析した結果から判明し、2011年10月のオンライン版「Diabetes Care」で報告されました。
これ は1982年から2007年に20703人の男性医師を対象にした「医師の健康調査」と、1992年から2007年に36295人の女性医療従事者を対象 に行った「女性健康調査」の食物の摂取頻度のアンケート結果を分析したものです。双方の調査結果を分析すると、調査機関の間に男性は1921人(20年 間)、女性は2112人(11.7年間)が、糖尿病を発症していました。
さらに詳しく分析すると、卵を食べない人に比べて、男性は週に 2~4個の卵を食べると18%、5~6個の卵を食べると46%、7個以上の卵を食べると58%も、2型糖尿病の発症リスクが高まっていたそうです。女性も 同様に、卵を食べない人に比べて、週に2~4個の卵を食べると19%、5~6個の卵を食べると18%、7個以上の卵を食べると77%も糖尿病のリスクが高 まっていたそうです。
卵1個にはコレステロールが約200㎎、飽和脂肪酸が約1.5gほど含まれていることが、2型糖尿病の発症リスクを高 めていることに関係しているかもしれないと研究者らは指摘します。特に飽和脂肪酸は悪玉(LDL)コレステロールを上昇させて動脈硬化などのリスクを高め るために、2011年10月からデンマークでは、飽和脂肪酸を多く含む食品に「肥満税(Fat Tax)」を課税して、消費を減らしていこうとしているくらい、問題視されています。
しかし、卵の消費量が増えることで、2型糖尿病発症リスクが高まるメカニズムについてはまだ詳しく解明されえておらず、今回の調査に関しても白人系の医師や医療従事者を対象とした限定的なものであることから、さらなる調査結果の報告が期待されます。