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【食】揚げ物を食べるならオリーブオイルかヒマワリ油。冠状動脈疾患リスクと無関係!
病気食
Posted on 2012.1.29
揚げ物が、中高年の健康にあまり良い影響を与えないこと、日本では胃腸に関してあまり良くないと考えられることが多く、欧米では過度 の摂取が心臓血管障害リスクを高めるので食べる頻度を減らすべきとされているようですが、スペイン・マドリッド・オートノマ大学(Autonomous University of Madrid)のPilar Guallar-Castillón博士らがBMJ 2012年1月24日オンライン版に発表した研究で、揚げ物を食べることが、必ず冠動脈疾患リスクを 高めるわけではなく、使用される油の種類によって影響に違いがあることが明らかになりました。
博士らは冠動脈疾患ではない4万757人の成 人(29~69歳)を対象に、平均11年間継続調査しました。調査期間中に対象者のうちで606人が冠動脈疾患になり、また死因はさまざまでしたが 1.135人が死亡しました。この調査対象者は食生活を調査されており、調査対象者は平均毎日約150gほどの揚げ物を食べていました。
博士らがカロリー摂取量、BMI値、高血圧症の有無など冠動脈疾患に影響を与える要因を補正して、揚げ物摂取量と冠動脈疾患の関係を分析した結果、揚げ物の 摂取が摂取量の多少によらず、一切リスク増加要因になっていないことがわかりました。また揚げ物摂取はどのような死因に関してもリスク増加要因になってい ないことも明らかになりました。
この結果について博士らは、今回の調査対象者はスペイン人であり、調査データでも彼らが食べていた揚げ物は ほとんどオリーブオイルかヒマワリ油を使用して調理されたものであることがわかっていることから、いわゆる地中海ダイエットで使用されるオリーブオイル、 ヒマワリ油で調理された揚げ物に関しては、冠動脈疾患リスクの増加とは無関係であることが証明されたとしています。