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【食】メタボの人には心血管イベント予防にカカオの多いダークチョコレートがおすすめ!
病気食
Posted on 2012.6.4
甘いものに関心のない方、特に中高年男性には、馴染みがないかもしれませんが、ダークチョコレートとは、チョコレートに含まれるカカオの量が60%以上のものをいいます。このダークチョコレートを毎日食べているメタボリックシンドロームの人は、そうでない人よりも、心臓発作や脳卒中などの心血管イベントのリスクが低下することがオーストラリア・メルボルン大学などの研究-チームが、BMJ 2012年5月31日付で発表した研究で明らかになりました。
研究は2013人のメタボリックシンドローム患者(ただし心血管疾患と糖尿病の病歴がなく高血圧ではあるが降圧剤を処方されていない)を対象に、チョコレートの消費と心血管発症リスクの関係を分析し、長期的なリスク予測の数理モデルにより、ダークチョコレートの健康に与える効果を研究しました。
その結果、毎日100gのダークチョコレートを、これらのメタボリックシンドローム患者が食べ続けると、10年間で 10.000人あたり15件の致命的な心血管イベントの発生が減少し、さらに致命的ではない心血管イベントの発生が70件、合計10.000人あたり85 件も予防する効果があることがわかりました。
研究チームによるとこの効果は60~70%のカカオを含有するダークチョコレートを食べ続けた場合のみで確認され、通常のミルクチョコレートやホワイトチョコレートでは効果がないことも明らかになりました。これはおそらくダークチョコレートに含まれる高水準のカカオ・フラボノイドによるものだと推測されると研究チームはしています。
そしてダークチョコレートによる血圧低下とコレステロール値低減効果は糖尿病になっていないメタボリックシンドローム患者にとってコストが低く、かつ効果的な心血管イベント予防戦略になり得ると提言しています。