コラムColumn

運動が神経痛を軽減する

病気運動

Posted on 2012.6.4



水泳やランニングマシンでの運動は、ケガや糖尿病などによって生じる神経の損傷による痛みを軽減し、痛みによる異常な反応や行動を30~50%も軽減することがラットの研究で明らかになり、2012年6月1日付のAnesthesia & Analgesiaという雑誌に掲載されました。

これは台湾の中国医薬大学のYu-Wen Chen博士らの研究によるもので、ケガや糖尿病で神経を損傷したマウスを水中で泳がせたり、トレッドミルで軽く走らせたりすることで、炎症反応が低下し、炎症性サイトカインの発生が低下していました。また炎症性サイトカインの産生を抑える熱ショックプロテイン27が増加していました。さらに痛みを示す行動が減少したことも明らかになりました。

研究者らによるとこの結果によって、運動が非薬物的治療に効果がある可能性が明らかになったため、今後も研究を継続していくということです。


Yu-Wen Chen, Yung-Tsung Li, Yu Chung Chen, Zong-Ying Li, Ching-Hsia Hung. Exercise Training Attenuates Neuropathic Pain and Cytokine Expression After Chronic Constriction Injury of Rat Sciatic NerveAnesthesia & Analgesia, 2012; 114 (6): 1330 DOI: 10.1213/ANE.0b013e31824c4ed4