コラムColumn
大気中のオゾン濃度の上昇が虫垂炎リスクを高める?!
病気
Posted on 2013.8.24
カナダのカルガリー大学の研究によると、短期的に高濃度のオゾンを浴びることで、虫垂炎のリスクが上昇していることが明らかになり、2013年7月31日のオンライン版Environmental Health Perspectivesで紹介されました。
研究者らは2004年から2008年の間にカナダ12都市で虫垂炎になった35,811人の患者のデータと、12の都市の最大オゾン濃度の関係について解析しました。
その結果、7日間の累積オゾン濃度が16ppb上昇することで、虫垂炎の発症リスクが7%高まり、さらに虫垂炎のうちの「穿孔性虫垂炎」の発症リスクが22%上昇するという結果になりました。
オゾンは、大気中で「OHラジカル」という非常に反応性が高く不安定な分子を生成させ、これがメタンなどと反応するため、温室効果ガスの大気中濃度に影響を与え環境(大気)汚染物質として心配されています。
日本ではオゾン濃度の上昇による健康への悪影響がほとんど紹介されていません。メカニズムなど詳しいことは明記されていませんが、ちょっと怖い研究結果だったので紹介しました。
Kaplan GG, et al "Ambient ozone concentrations and the risk of perforated and nonperforated appendicitis: A multicity case-crossover study" Environ Health Perspect 2013