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解熱剤でインフルエンザの流行が拡大する?!

病気

Posted on 2014.1.25

phm06_0159-sインフルエンザ患者が推計約66万人になったと国立感染症研究所が2014年1月24日に発表しました。インフルエンザは発熱を伴うために、イブプロフェン、アセトアミノフェンおよびアセチルサリチル酸などを含む解 熱剤を使用することが多いですが、実は解熱剤によって、インフルエンザの流行が拡大してしまう可能性があると、カナダオンタリオ州にあるマクマスター大学 の研究者らが指摘し、2014年1月22日号の科学雑誌『Proceedings of the Royal Society B: Biological Sciences』に研究結果が掲載されました。研究者によると、体内のインフルエンザウイルスの数を減らす効果 と、倦怠感、筋肉痛などで安静にする必要性を感じさせる発熱を、解熱剤で止めてしまい、無理をして仕事や学校に出かけることで、発熱している人以上に、解 熱剤を飲んだ人が、インフルエンザの感染を広げてしまう可能性が大きいということです。もちろん、子供はインフルエンザの高熱による「インフルエンザ脳症」に注意が必要なため、医師の指示に従って解熱剤の使用をするケースもありますが、解熱剤を飲んで、無理に学校や塾などに行かせるのはやめましょう。
D. J. D. Earn, P. W. Andrews, B. M. Bolker. Population-level effects of suppressing fever. Proceedings of the Royal Society B: Biological Sciences, 2014