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ココアのフラバノールは血管と心臓を守る
病気美容老化
Posted on 2021.11.1
ストレスを感じたときに、ココアを飲むと心筋梗塞などの心臓病の予防になることが、英国バーミンガム大学の研究で明らかになり、2021年3月の「Nutrients」で公表されました。ココアの心臓病予防効果については、ココアに含まれる植物性ポリフェノールの「フラバノール」に、血管内皮の拡張作用を通じた血圧低下作用などがあるためと説明されています。
今回の研究では、30人の健康な成人男性に精神的ストレスの負荷をかけ、ストレス負荷前、ストレス負荷30分後、90分後に前腕の血流量、心拍数や血圧などを測定しました。被験者は2グループに分けて、精神的ストレスの負荷をかける90分前に、高レベルのココアフラバノール(150㎎含有)を飲んでもらったグループと、飲まないグループ(4㎎のエピカテキン含有)に分けて比較しました。
その結果、前腕の血流量は、 ストレス後30分で低下しましたが、高フラバノールココアを摂取したグループでは、この低下レベルが弱くなり、ストレス後90分では、低フラバノールココアと比較して有意に高いままでした。さらに高フラバノールココアは、安静時およびストレス時のどの時点でも、低フラバノールココアよりも前腕の血流を増加させました。これにより、ココアに含まれるフラバノールは、精神的ストレスによって誘発される血管内皮機能障害を打ち消し、ストレス時の末梢血流を改善するのに効果的だと推察されます。今回の発見は、ストレス時の血管の健康を保護するためにフラバノールが役立つ可能性を示唆しています。
今回の研究成果について、フラバノールが豊富な食品はココア以外にも、リンゴ、赤系のブドウ、
【出典】
Rosalind Baynham, Jet J.C.S. Veldhuijzen van Zanten, Paul W. Johns, Quang S. Pham, Catarina Rendeiro. Cocoa Flavanols Improve Vascular Responses to Acute Mental Stress in Young Healthy Adults. Nutrients, 2021; 13 (4): 1103 DOI: 10.3390/nu13041103