キノコの消費量が多いほど、ガンのリスクが低くなることが、米国ペンシルベニア大学の研究で明らかになり、2021年3月の「Advances in Nutrition」で発表されました。この研究は、1966年から2020年までに発表された17のがんに関する研究成果を調べたもので、19,500人以上のがん患者のデータを分析してキノコの消費量とがんリスクとの関係を調査しました。調査結果によると、毎日18グラムのキノコを食べた人は、キノコを食べなかった人と比較して、ガンのリスクが45%低いことがわかりました。キノコはビタミン、栄養素、抗酸化物質が豊富でスーパーフードと呼ばれますが、今回の研究ではがん予防の可能性があることを示しています。がん予防に役立っていると推察されるのは、キノコに含まれるユニークで強力な抗酸化物質および細胞保護剤である「エルゴチオネイン」で、この物質が酸化ストレスから細胞を守り、がんのリスクを下げるのに役立っている可能性を指摘しています、今後の研究では、キノコががん予防に関与するメカニズムと、がんの種類による予防効果の違いなどについて解明していくそうです。
【出典】Djibril M Ba, Paddy Ssentongo, Robert B Beelman, Joshua Muscat, Xiang Gao, John P Richie. Higher Mushroom Consumption Is Associated with Lower Risk of Cancer: A Systematic Review and Meta-Analysis of Observational Studies. Advances in Nutrition, 2021; DOI: 10.1093/advances/nmab015