コラムColumn

穀物繊維が心臓と脳を守る

病気美容食

Posted on 2022.4.19

食物繊維の中でも穀物の繊維が、心臓病や脳梗塞などの発症リスクを低下させることが米国コロンビア大学メールマン公衆衛生大学院の研究で明らかになり、2022年4月の「JAMA Network Open」に掲載されました。この研究は、食物繊維の摂取が高齢者の炎症の減少と関連しているかどうか、および食物繊維が心血管疾患と逆の関係にあるかどうかを評価しました。調査対象は、1989年から1990年に心血管健康調査に登録された健康な4125人の成人で、脳卒中、心筋梗塞、およびアテローム性動脈硬化症の心血管死のリスク評価のための食品ごとの摂取頻度を調べる質問票を2015年6月まで継続的に記入しました。被験者の血液サンプルは炎症のマーカーについて評価されました。この研究の結果から、果物や野菜の繊維ではなく、穀物繊維が炎症の低下と心血管疾患リスクの低下に関連していることがわかりました。研究者は、食物繊維が腸の機能を改善し、脂肪やそう摂取カロリーを減らして肥満や過食の改善に役立ち、高血糖、高血圧、脂質異常症などを予防・改善することが確認されている中で、今回の研究では特に穀物繊維が心血管疾患予防に関連していることが判明したため穀物繊維のどんな成分にその働きがあるかというメカニズムなどについてさらに研究していくそうです。

【出典】 Rupak Shivakoti, Mary L. Biggs, Luc Djoussé, Peter Jon Durda, Jorge R. Kizer, Bruce Psaty, Alex P. Reiner, Russell P. Tracy, David Siscovick, Kenneth J. Mukamal. Intake and Sources of Dietary Fiber, Inflammation, and Cardiovascular Disease in Older US Adults. JAMA Network Open, 2022; 5 (3): e225012 DOI: 10.1001/jamanetworkopen.2022.5012