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体内のインスリン産生能低下が過体重に関係
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Posted on 2022.9.25
体内でインスリンの産生が不足すると太りやすくなることが、ドイツのバーゼル大学の研究で明らかになり、2022年9月の「Nature Communications」に掲載されました。太りすぎは、糖代謝の不均衡や糖尿病のリスクを高めますが、今回の研究によって、インスリン不足は太りすぎを引き起こすという反対のことが、同様に真実であることを示しています。
研究チームは、さまざまな不活性ホルモン前駆体を最終的な活性型に変換する体内の重要な酵素であるプロテアーゼ PC1/3 に注目しました。理由は過去の研究でも前糖尿病患者の膵臓では PC1/3 が減少していることが確認されているためで、この酵素が体内で適切に機能していない場合、その結果、重度の内分泌障害が発生する可能性があります。その結果、制御不能な空腹感と重度の太りすぎが発生します。
研究チームは、マウスの膵臓のインスリン産生ベータ細胞で PC1/3 を特異的に遮断し、インスリンが不足した状態にコントロールしました。するとマウスは過食になり、過体重に陥って、糖尿病を発症しました。一方マウスの脳でPC1/3を遮断してもマウスは過食や過体重になりませんでした。
これらの結果について研究チームは、十分な PC1/3の分泌 が健康な体重の維持に重要な存在であることを確認できたと述べています。
【出典】Daniel T. Meier, Leila Rachid, Sophia J. Wiedemann, Shuyang Traub, Kelly Trimigliozzi, Marc Stawiski, Loïc Sauteur, Denise V. Winter, Christelle Le Foll, Catherine Brégère, Raphael Guzman, Alex Odermatt, Marianne Böni-Schnetzler, Marc Y. Donath. Prohormone convertase 1/3 deficiency causes obesity due to impaired proinsulin processing. Nature Communications, 2022; 13 (1) DOI: 10.1038/s41467-022-32509-4