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早朝の朝食は糖尿病を予防する

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Posted on 2023.8.11

朝早く朝食を食べると糖尿病リスクを低下できる可能性があることが、バルセロナ国際保健研究所の研究で明らかになり、2023年7月の「International Journal of Epidemiology」に研究成果が発表されました。

この研究は、 フランスのNutriNet-Santéコホートの成人103,312人(女性79%)を対象に、食事の頻度とタイミングと2型糖尿病の発生率との関連性を調査したものです。 参加者は、連続しない3日間に24時間にわたって食べたもの、飲んだもの、食事のタイミングなどの食事記録をオンラインで記入しました。さらに 研究チームは追跡調査の最初の2年間の食事記録を平均し、その後の数年間(平均7年間)の参加者の健康状態を評価しました。

研究期間中に963人の2型糖尿病患者が発生しました。 さらに糖尿病を発症するリスクは、朝食を午前8時より前に食べたグループに比べて、午前9時以降に定期的に朝食を食べるグループで有意に高いことがわかりました。

研究者によるとこの結果は、生物学的には、これは理にかなっているといいます。つまり朝食を抜くと、血糖値や脂質のコントロール、さらにはインスリンレベルに影響を与えることがその理由と考えられるそうです。そして、朝食を抜くと2型糖尿病のリスクが高まるという過去の研究結果とも一致しています。

研究チームはまた、遅い夕食(午後10時以降)はリスクを高めるようだが、より頻繁に食べる(1日約5回)と病気の発生率が低いと関連していることも発見した。 対照的に、長期の断食は、早めの朝食(午前 8 時前)と早めの夕食をとった場合にのみ効果があります。

これらの結果は、2 型糖尿病やその他の慢性疾患を予防するために「時間栄養学 (サーカディアンリズム):食事、概日リズム、健康との関連性) 」を考慮して生活することに効果があることを示しています。

【出典】 Anna Palomar-Cros, Bernard Srour, Valentina A Andreeva, Léopold K Fezeu, Alice Bellicha, Emmanuelle Kesse-Guyot, Serge Hercberg, Dora Romaguera, Manolis Kogevinas, Mathilde Touvier. Associations of meal timing, number of eating occasions and night-time fasting duration with incidence of type 2 diabetes in the NutriNet-Santé cohort. International Journal of Epidemiology, 2023; DOI: 10.1093/ije/dyad081