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歯周病がアルツハイマー病を悪化させる

病気老化脳食

Posted on 2023.8.14

歯周病とアルツハイマー病の特徴であるアミロイド斑の形成に関連性があることが、米国フォーサイス研究所の研究によって明らかになり、2023年7月の「Journal of Neuroinflammation」で紹介されました。

すでにたくさんの先行研究によって、 歯周病などの原因になる口腔細菌が大腸がんや心臓病などの全身疾患に重要な役割を果たしていることが明らかになっています。

さらに、歯周病に関連する炎症が脳の炎症反応を活性化することは、これまでの研究から明らかになっており、この研究では、口腔内の細菌が脳細胞に変化を引き起こす可能性があるかどうかについて検証しました。

具体的には、マウスの口腔細菌を使ってマウスに歯周病を引き起こしたところ、マウスの歯周病が進行していくと、口腔内の細菌が脳にまで到達することを確認しました。

このメカニズムは、まず口腔細菌が口の中から血流に侵入し、血液脳関門も通過して、脳内のミクログリア細胞を刺激します。すると活性化したミクログリア細胞が神経細胞の炎症反応を引き起こし、ミクログリア細胞がアミロイド斑を過剰に破壊してしまうことで、アルツハイマー病を悪化させてしまうリスクが高まるのだということです。

この結果について研究者は、 神経炎症や神経変性を防いで、アルツハイマー病を予防するためには、歯周病に伴う口腔炎症を制御することが重要であることを示唆しており、口は体の一部であり、口腔炎症や感染症に注意しなければ、健康を維持することはできないことを理解して、口腔ケアをしっかり行うべきだと述べています。

【出典】Rawan Almarhoumi, Carla Alvarez, Theodore Harris, Christina M. Tognoni, Bruce J. Paster, Isabel Carreras, Alpaslan Dedeoglu, Alpdogan Kantarci. Microglial cell response to experimental periodontal disease. Journal of Neuroinflammation, 2023; 20 (1)