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【メディカル】楽観的になることで思春期のうつ傾向を改善する
心理
Posted on 2011.1.23
人生を明るく楽観的に考えることで、若者のうつ的な傾向が改善されることが、オーストラリアメルボルンのRoyal Children's Hospitalに所属するGeorge C Patton博士らの研究として、2011年2月号のPediatricsに発表されました。
この研究はオーストラリア在住の若者を対象に行ったもので、2003年時点で12歳~14歳の男女5634人に対して、2004年2005年と追跡調査を実施しました。そのうち59%の少年が「自分は楽観的でなくうつ的な傾向がある」と回答、一方で15%が「かなり楽観的」だと自己評価しています。この傾向は少女の場合もほぼ同じ割合でした。
調査の結果を分析してみると、楽観的志向が強い若者ほど、1年後にうつ病になるリスクが低いことが判明しました(楽観的思考のスコアが低いグループと比較して、うつ病になるリスクが0.54倍)。また、性差に関係なく、楽観的思考が強いと、反社会的な行動をとらないこともわかりました。一方で、楽観的傾向が強いほど、少女の場合は薬物依存のリスクが低いことがわかりましたが、男性の場合は、この2つについての相関関係が低いことがわかりました。