コラムColumn
【ライフスタイル】遺伝子検査は不安の種にも生活習慣の改善にもならない?!
心理
Posted on 2011.1.24
自分で行う遺伝子検査の結果を見て、患者たちはあまり大きな不安を抱かず、その後の食習慣や生活習慣の見直しをしないことが、アメリカカリフォルニアのスク リプス病院に所属するEric Topol博士らが行った研究として、New England Journal of Medicine 2011年1月号に発表されました。
この調査は、健康関連会社で働く2037人を対象に、自分でできる遺伝子検査キットを使用してもらい、その結果に関する心理的な変化や身体活動、食生活などについてネット調査を実施。全体の44%が検査は受けたものの、追跡調査に回答しませんでした。
回 答者のうち90.3%は、遺伝子検査の結果に悩んだり、苦悩を示すことがありませんでした。さらに、遺伝子検査の結果について、会社が無料で提供してくれ る「遺伝子相談」に対して、わずか10.4%しか接触(利用しようと)せず、検査の結果を自分の(かかりつけ)医師に報告するという人は、26.5%でし た。
今回の結果について、健康関連会社に勤務する人が対象ということで、若干の偏りがあることと、遺伝子検査の結果後に44%も非回答者がいた理由などを考慮に入れて、今後は研究対象と研究方法にさらなる工夫が必要だと研究者たちは述べています。
遺伝子検査が必要のない不安を招いたりするのではないかという意見や、遺伝子検査がきっかけで生活習慣の改善になるという意見もありますが、今回の実験では、そのような影響力がなかったということになります。