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【ライフスタイル】テレビゲームのやり過ぎは子供の心理発達にマイナスをもたらす危険性!

心理教育、子育て

Posted on 2011.1.25

game2米国・アイオワ州立大学のDouglas Gentile博士らがPediatrics 2011年1月17日オンライン版に発表した研究で、プレイステーションやXboxなどのテレビゲームに、 子どもが過度にのめり込むのは、もともとその子供に何らかの発達上の障害や問題がありそれに起因する結果として自己をコントロールできずに、そのように過 剰にゲームばかりするようになってしまうだけではなく、ゲームをしすぎた結果として、様々な発達上の問題が引き起こされてしまうことも明らかになりまし た。
博士らは2007年から2009年にかけて、シンガポールの小中学生3034人(調査開始当時日本の学齢で小学3年生743人、4年生 711人、中学2年生916人、中学3年生664人)を対象にゲームの習慣、一日のゲーム時間、学業成績、精神状態、社会的能力、衝動性、抑うつ、社会恐 怖、不安、などの子供たちの発達上の様々な側面も含めて継続調査しました。また質問には、ゲームのし過ぎで学業にマイナスの影響があったかどうか、ゲーム を買うためにお金を盗んだことがあるかどうか、なども含まれました。
調査データを分析した結果、病理的なゲーム依存の範疇に属する子どもは 9.9%ほどおり、この結果についてはこれまでの各国の研究結果と同様でしたが、病理的なゲーム依存になってしまう子供のリスク要因として、あらたに社会 的適応力の低さと衝動性の高さがあることがわかりました。また病理的ゲーム依存に陥ったことにより子供たちに抑うつ、不安、社会恐怖、学業不振などが生じ ることも明らかになりました。
博士はこの結果から、病理的ゲーム依存はほかの発達障害が原因で生じる併存的な病理的嗜癖症候群ではなく、それ自体が何年も続く新たな問題の原因となりうるものだとしています。