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【メディカル】嫌いな生き物が視野に入った瞬間にビックリしてしまう理由!

心理脳

Posted on 2011.10.3

in嫌いな生き物が視野に入って、それが何かを認識する前に叫んでしまったり、飛び退いてしまったりして、それからやっとそれがネズミだったりヘビだったりすることに気づいた、という経験をした方もいるのではないかと思います。
米国・カリフォルニア工科大学とUCLAの研究チームが、Nature Neuroscience 2011年8月28日オンライン版に発表した研究で、人間には大脳の扁桃体と呼ばれる部位に、人間以外の生き物に素早く反応する神経メカニズムが組み込まれていることが明らかになりました。
研究チームはUCLAロナルド・レーガン・メディカルセンターの41人のてんかん患者の脳を調べました。これらの患者はてんかんの治療と研究を目的に既に脳に電極が埋め込まれており、脳内の活動を継続的にモニターされていました。
今回研究チームは、この患者たちを被験者として、彼らに①人間、②動物・生物、③名所旧跡、④さまざまな物体、などの写真を見せて、これまで既に恐怖など情動反応に関係することが知られている扁桃体の1つの神経細胞(ニューロン)の反応を調べました。
扁桃体は側頭葉内側の奥に存在するアーモンド型の神経細胞の集まりで、左右にそれぞれ存在し情動反応の処理と記憶に関わっていることが知られています。データを分析した結果、動物・生物の写真を見た時のほうが人間や建物を見た時よりも、扁桃体の神経細胞が素早く活発に反応することがわかりました。
そして、この動物・生物に対する反応は可愛らしい動物に対しても、危険で恐怖を呼び起こす生き物や醜い生物に対しても同様に素早く、呼び起こされ、その情動が愛情でも嫌悪でも変わりがないことがわかりました。またこの反応は右脳の扁桃体のみに生じており、左右の扁桃体で非対称であることも明らかになりました。
この結果について研究チームは、生物の進化の過程で右脳は予想外の環境の変化に対して反応することを担っており、右脳の扁桃体が素早く反応するのは自分を襲う恐怖の捕食者と、嬉しい獲物の両方に対応して進化したためではないかとしています。