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【ライフスタイル】メメント・モリ!死についていて考えることが身体的な健康と良い人生を導く
心理
Posted on 2012.5.9
メメント・モリ(Memento mori)とは、ラテン語で「自分が死ぬことを忘れるな」という警句で、古代ローマに発し、キリスト教世界で芸術などに頻繁に使用され、目にされた方も多 いと思いますが、米国・ミズーリ大学のKenneth Vail博士らがPersonality and Social Psychology Review 2012年4月5日オンライン版に発表した研究で、死について考えることは、決してマイナスばかりではなく、死に対しての自覚が、その人の 身体的健康を改善し、人生の目標、価値観などを再考する助けとなる、ポジティブな意味を有することが明らかになりました。
博士らは、これまでの社会心理学の先行研究で、死について考えることが人間の心理に、マイナスの影響を及ぼすことを前提とし、その結果、ネガティブな影響の存在を示唆するものが多かったことから、そうした傾向が本当に妥当なものかどうかを研究したということです。
そ こで博士らは死について考えることが、どのような影響をもたらしているのかについて、近年発表された多数の研究をレビューし、分析した結果、自己の死すべ き運命についての意識や思考が、ポジティブに作用していることを明らかにした研究結果も、多数あることがわかりました。例えば墓地の近くに行くと、人は無 意識うちに他人にいつもよりやさしくなり、より援助的になること、死を意識している人ほど、環境にやさしい行動に積極的になること、また死んだ人のことを 思い起こさせると、人はより健康的な行動パターンを選択するようになることなど、多数の例証が浮かび上がったということです。
この結果につ いて博士らは、時おり死について考えることや、死を自覚することは、恐怖感などを呼び覚ますこともあるけれども、ネガティブな側面ばかりではなく、世界や 世間との関係において、よりポジティブな行動を喚起して、良い人生を導くことに寄与する側面もあることが、社会科学的にも明らかにできたではないかとして います。