コラムColumn
【メディカル】自分が年寄りだ思ってしまうと認知症と診断されるリスクが高まる!
心理老化
Posted on 2012.6.29
英国・エクゼター大学をホストとして開催された第1回社会的アイデンティティと健康国際会議(International Conference on Social Identity and Health )で、2012年6月12日にエクゼター大学の研究チームが発表した研究によると、自分が年老いたとみなしている高齢者は、まだ若いと思っている高齢者よ りも、認知症のテストの結果が低くなり、認知症と診断される率が5倍も高くなるということです。
研究チームは60-70歳の被験者に対し て、Aグループには彼を高齢者だと思わせるために「40歳から70歳の参加者がいる実験に参加していて皆さんが最高齢でグループである」と伝え、Bグルー プにはまだ若いと思わせるために「60歳から90歳が参加している実験で皆さんが最も若年層である」と伝えた上で、加齢が健忘や記憶力低下に及ぼす効果と 加齢が認知機能全般に与える影響についての文章を読ませました。その後、被験者は認知症のスクリーニングテストを含む複数の認知症機能に関する臨床テスト を行いました。
テストの結果を分析したところ、自分がより高齢だと思わされたAグループのほうは70%もの被験者が認知症の基準値を超えて しまったのに対し、まだ若いとほうだ思わされたBグループでは、たった14%しか認知症の基準値に達しませんでした。この結果について研究チームの Catherine Haslam博士は、自分が年老いてしまったと思いながら認知症のスクリーニングテストを受けた場合と、まだまだ若いと思って受けた場合で、これほど劇的 に結果に差が出るということは、認知症の検査を実施する場合、正確な診断結果を得るためには患者が自分の年齢に対してどう感じているのかを十分に考慮して 実施することが重要となるとしています。