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【ライフスタイル】ストレスの多い仕事は女性の心臓疾患リスクを高める!
心理病気
Posted on 2012.7.24
米国・ハーバード大学医学部の研究-チームが、2012年7月18日付けPLoS One に発表した研究で、職務ストレスや仕事の不安定さにさらされている女性は、そうではない女性に比べて、心血管系疾患発症リスクが高いことが明らかになりました。
研究チームは、職業関連ストレスと心血管系疾患のリスクに関して、女性を対象にした長期的影響を分析した研究が、ほとんど存在していなかったことから、10 年間継続して22.086人の有職女性(平均年齢57歳)の職務ストレス、仕事の不安定さのストレスと心血管疾患の発症に関するデータを収集し、分析しました。
調査対象の女性において、10年間の間に心筋梗塞170例、虚血性発作163例、冠血行再建440例が発症し、52人が心血管疾患で亡くなりました。
データを分析した結果、職務で求められる要求水準が高い一方で、自分では職務内容や仕事量をコントロール出来ないという高い職務ストレスに晒されていた女性は、そうではない女性(要求水準が低く仕事を自分でコントロール可能なため職務ストレスが少ない)と比べて、38%も心血管疾患発症リスクが高いことがわかりました。
要求水準も高いが自己裁量度も高いやり手タイプも同様に、38%も心疾患リスクが高いことがわかりました。詳しく見ると、職務ストレスの要因は、心筋梗塞のリスクを67%、冠血行再建リスクを41%高めていました。一方、仕事の不安定さに関しては、心血管疾患発症リスクに影響を与えてはいませんでした。
この結果に関して研究チームは、職務ストレスは心血管疾患リスクを高める喫煙を引き起こしたり、抑うつ的になるなどの行動面でのストレス反応や、高血圧やメタボリックシンドロームなど、身体的な面でのストレス反応と相まって心血管疾患リスクを高めており、さらに慢性的なストレスが内分泌系と自律神経系に有害な影響を与えていることも、こうしたリスクの増加に繋がっている原因と考えられるとしています。