コラムColumn
ラットもエサより優先して困っている仲間を助ける共感力を持つ
心理
Posted on 2015.5.14
仲間を助け合う行動は、霊長類に特有のものと言われてきましたが、ラットも溺れそうな仲間を助けようとする行動をとることが、関西学院大学の研究で明らかになり、2015年5月12日のドイツの科学ジャーナル『Anamal Congnition』に掲載されました。
関 西学院大学文学部総合心理学科の佐藤暢哉教授(神経科学)らが行った研究では、溺れそうになっている危険にさらされたラットを、隣に安全な状態でいるラッ トが、ゲージの扉を開いて助けることができるような装置を準備。実験を行うと、溺れそうになっているラットを隣のラットが認知して、素早くゲージのドアを 開いて、溺れそうなラットを助けたそうです。さらに、ラットを助ける扉のほかに、エサがもらえる扉も設置して、溺れているラットを見せたところ、まず隣の 溺れそうなラットを救出してから、エサの扉を開いたそうです。
この研究結果から、ラットも「共感」をして、同種の他個体に対して、向社会的な行動をとることが確認され、世界的な注目を浴びています。
http://link.springer.com/article/10.1007%2Fs10071-015-0872-2
逆に、ラットにもあるらしい向社会的な「共感」は、何が原因で喪失されてしまうのかが、気になりました。