米国ピッツバーグ大学の研究発表によると、ソーシャルメディアに費やす時間が長いほど、うつ病になるリスクが高まることが、2016年3月の科学雑誌『Depression and Anxiety』に報告されました。
これは19歳~32歳までの米国人の男女1787人を対象に行った調査によるもの(女性が50.3%、白人が57.5%)。参加者は、1日平均61分間、ソーシャルメディアを使い、メディアへのアクセス回数は週に30回でした。
ソーシャルメディアに費やした時間が最も長いグループは、最も短いグループに比べて2.7倍も、うつ病の発症リスクが高いことが明らかになりました。
さらに研究者らは、2030年までには、ソーシャルメディアの使いすぎが、先進国の人々の精神疾患の原因の第1位になるだろうと予測しています。
さらに、同じ研究を深く分析した結果が、2016年12月に報告されました。
ソーシャルメディアに費やす時間よりも、たくさんの種類にアクセスすることが、よりうつ病リスクを高めるということです。
前の調査では、被験者の使っているソーシャルメディアの種類まで調べてあり、主なものは、Facebook, YouTube, Twitter, Google Plus, Instagram, Snapchat, Reddit, Tumblr, Pinterest, Vine、LinkedInでした。
分析結果によると、これらのソーシャルメディアを、7~11種類使っている人は、2種類以下しか使っていない人に比べて、3.1倍もうつ病になるリスクが高いということです。
この結果について、うつ病を診断する際に、医師が患者のソーシャルメディアの使用頻度を知っておくことも、診断や治療に役立つことを示唆していると分析しています。
Liu yi Lin, Jaime E. Sidani, Ariel Shensa, Ana Radovic, Elizabeth Miller, Jason B. Colditz, Beth L. Hoffman, Leila M. Giles, Brian A. Primack. ASSOCIATION BETWEEN SOCIAL MEDIA USE AND DEPRESSION AMONG U.S. YOUNG ADULTS. Depression and Anxiety, 2016